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作風の話 その1



 最初のとこに書いた通り、この文章を読んでる方は私の漫画をひとつぐらいは読んだことがある方だと思います。知らん奴による知らん創作についての自分語りに興味を持つ人はあまりいないでしょう。なので作風についての詳細な説明は不要かなと思いますが、一応大雑把に説明すると、主に若い女性が頑張って生きたり死んだりする漫画をよく描きます。ハッピーエンドを描くとびっくりされるような作風です。いや、ハッピーエンドも普通に描いてるんですけどね。ハッピーエンドよりもバッドエンドの方が印象が強いので、バッドエンドをよく描く人と認識されてるのだと思います。ハッピーエンドも意外と頻繁に描いてますよ。マジで。
 んで、いただいたおコメントで「[ 7 ] 最近の作品は読んでないけど、きんじ先生の作品は暗い雰囲気の作品が多い印象。意図してそうしてるのか、自然とそうなってしまうのか、その辺について語ってくれると嬉しいです。」とありました。ありがとうございます。もし機会があったら最近のも読んでね!昔のよりクオリティが上がってて多分面白いと思うので。好みの問題があるので多分です。
 わざとかどうかって言うと、描きたいものを描いた結果こうなってるので、「自然にこうなってしまっている」が答えになりそうです。なんでこんな悪趣味な話ばかり作るのかというと、大きい原因が多分二つあって、うち一つである趣味嗜好の話は多分また今度書くのでおいとくとして、もう一つの原因が「自分が感じたネガティブな感情を創作の材料に使っている」っていうのがあるかなーって思います。これあまり言わない方がいいのかもしれないけど、私にとって創作は愚痴と弱音を吐くツールでもあります。極端な例でいうと(あくまで例ですよ)「死にてえ〜…」って口に出すと嫌な顔をされたり説教されたり距離を置かれたりしますが、その感情をデフォルメして創作にすればなんか素晴らしいものになって感動や共感をしてもらえるから最高、的な話です。まあ、私の作品を読んで嫌な顔をした人も説教したくなった人も「この作者とは友達になりたくないな」って思った人もいそうですけど。それはそれです。「実在する友達をモデルにしてキャラを作る」を自分一人で完結させてる感じ。逆に意識的に友達をモデルにしたことがほぼないです。
 なんかそういう、”あまり表に出る事はないけど少なくない人が底に溜めてるような感情”が私の創作ではめっちゃ前面に出ちゃってるから「よく言ってくれた!」とか「私だけじゃないんだ!」とかって感じになるんでしょうか。筋少さんの「ノゾミのなくならない世界」の「この人あたしをわかってる あたしの心を歌ってる」みたいなやつ。おコメントを見た感じ、「菜緒ちゃんの命日」なんかはそういう面が強かったっぽいですね。みなさんお察しの通り(?)、菜緒ちゃんの愚痴と弱音はデフォルメ弱めだったので共感が得やすかったのかもしれません。ていうか菜緒と似たようなこと考えてる人が思ってたよりいっぱいいて私もびっくりしました。
 ありがたいことに感情の表現がすごいとほめて頂けるのは、そもそも話の作り方がそんなだからなのかもしれないですね。他の人が何を材料にしてるのかよく知らないですけども。でもこの作り方ならあまり特殊な能力は必要ないだろうし、エネルギーが内側に向いてるような人にとっては得意分野だと思うし、みんなもやったらいいと思うよ。



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