「お話を作った事ないけど暇つぶしに作ってみようかなって人向けに、とりあえず完成させる方法」かつ「いっぱいある作り方のうちのひとつ」でしかも「かなりいい加減で無責任で意識の低い内容であること」はご了承ください。1から10まで鵜呑みにせず、ゆるーく、参考程度にお願いします。

「完結してる」「ネタバレが致命的じゃない」「人を選ぶ要素が少ない」という理由から、自作の漫画「コーヒーとはちみつレモン」(3話で完結。右の二人のお話)を図の例に使います。例として使うだけなので内容は知らなくてもこのページは問題なく読めます。




本題に入る前に

世の中には面白い長編がたくさんあるので、誰でも「あの漫画みたいな壮大な長編を作ってみたい!」と思いがちだとは思いますが、長編は色々考えることが多いし、散らかさないようにするのが大変だし、何より趣味でやる分には高確率で飽きて途中で投げます。まずは1話〜5話ぐらいで完結するストーリーを完成させて感覚を掴み、技術や自信をつけてから長編にチャレンジするのをおすすめします。いきなりちゃんとした長編を作って完結させられる人はすごい人なので、中編ぐらいまでしか作れない人が書いたこのページは参考になりません。

それとこのページは初心者にとって意外とハードルが高い「最低限ストーリーをストーリーっぽく成立させる事」「完成させる事」が主な目的なので、素晴らしいストーリーの作り方とかはちゃんとしたサイトや本なんかを見てください。




1.まず「こういうのが好きだ!これを創作で扱いたい!」というものを見つける




 シーンでもキャラでもシチュエーションでもなんでもいいです、とにかく情熱が大事です!完結させるためのモチベーションになるし、「えがきたい物」があるとそれが一貫した軸になるからです。
 なんかしら好きな作品や、誰かとの会話、自分の経験などからインスピレーションを湧かせます。作品からいただく場合はパクリにならない程度の量の好きな要素を抽出しましょう。パクリかどうかの境界線は真っ黒な場合を除き主観的な感覚になりがちなので難しいのですが、とりあえず自分が後ろめたいと思う事はやめた方がいいです。モヤモヤがモチベーション低下にも繋がります。
 あと、カッコイイロボのアニメも剣と魔法の世界の漫画も大体人間ドラマが根っこにあるので、例みたいに「めっちゃ好きなキャラ・好きな関係性」を選ぶと難易度が低いと思います。というか筆者はそれしか作れないです。ウケる。




2.キャラを二人以上考える




 難しい事を考えなくても、ふたつ以上の人格が接触すれば手軽にストーリーっぽいものができます。二人か三人ぐらいを中心にして、周りを必要に応じて作るのが楽だと思います。たくさん作りたくなってしまいますが、キャラの増加に比例して話は長くなり、まとめるのが難しくなりがちです(上手な人はその限りではないだろうけど)。良いキャラがたくさんできてしまったら、また別のストーリーの主人公や重要ポジションにしてあげてください。
 中心のキャラ達は、最低でも一人は自分が好きになれるキャラにしてください。好きじゃなかったらやる気が出ません。さらに無駄に細かく設定を作ると愛着が湧いて良い感じです。ただ本編に色々詰め込み過ぎるとカオスになるので、「細かく設定を作ってもすべてを本編で使うことはできないよ」という心構えで。あとがきや制作秘話で早口オタクになりましょう。




3.1で見つけた好きな物と2で作ったキャラの魅力をプレゼンする資料を作るつもりで、「自分が最高だと思うクライマックス」を考え、そこから逆算して必要な描写を考える




 話をとっ散らかさずに最低限成立させるために、また最後まで作りきるために「結末から逆算して作る」はとても大事です。最高のクライマックスをもっと最高にするために、盛り上げるために必要な描写を考えます。短編だとその最高のクライマックスと必要な描写だけでそれなりに成立します。中編ぐらいの長さの物を作りたい場合は要所要所に萌える(燃える)シーンを作り、最高のクライマックスと同様にそれらに必要な描写を考え、繋げていく形にすれば作りやすいです。
 「しかしプレゼン資料ってなんやねん」って話ですが、例えばカッコいい主人公の話を作りたい場合はそのカッコよさをアピールするためのお話を作る、ってな感じです。萌え(燃え)を全力で叩きつける心持ちです。ストーリーなんてものはそのプレゼンのための材料でしかないというぐらいの意識で、整合性とかは犠牲になってもいいと思います。その方が楽しく作れるはずなので。
 作ってる最中は客観視ができないため感覚がまずあてにならず、「これ面白いのか…?」なんて真剣に考えたところで意味はありません。完成しなきゃ楽しくないし発表もできないので、ボロボロでも最初から最後まで一本で繋げて完成させます。




4.ストーリーはできたので形にする

 漫画とか小説とかアニメとかゲームとかです。漫画含めその辺の技術はよく分かりません。自分ができる物・やりたい物を選んでください。どれも極めようとすると底なし沼だけど、小説が一番入口が広いんじゃないかな…。
 形にする作業は時間がかかるので、途中で客観視できるようになっていき「このシーンいらないな」とか「ここはこうした方がいいな」とか見えてきて、おのずとクオリティがアップしていくはずです。知らんけど。あと好みが変わってくる事も多々あります。もう好きじゃなくなった物のために頑張って作業をするのは辛いので、破綻や迷走をしない程度に変えたり妥協したりしてください。
 技術が追い付かずうまくいかない所があるとモチベーションが下がってしまいますが、妥協してでも完成させることを最優先にするべきです。最悪後でリメイクや差し替えをすればいいです。素人の創作ですからね。
あと他人に見せる作品の場合は「頭の中で考えたストーリーを分かりやすく人に伝える事」を最優先にして作ってください。読みにくくて何が起こってるかわからない小説って、いくら面白いらしくても理解するのに脳が疲れて心が折れちゃいますよね。だから漫画なら視線誘導とか描き分けとか、そういう読みやすく・見やすくする技術は優先的に学んで取り入れてください。どうしてもかっこよく見せる技術とかを先に知りたくなってしまいますが、そんなんは二の次でいいです。かっこよくても伝わらなきゃ意味ないです。


 完成したら友達に見せるなりネットにアップするなりして発表しましょう。恥ずかしいだろうし別に発表しなくてもいいけど、せっかく作ったんだから発表した方が楽しいです。何作も発表するうちに露出狂の気持ちが分かるようになります。
 周りを見ていると完成した作品ばかり目に入ってくるのでわかりにくいですが、死産になり日の目を見なかった作品の数の方が本当はずっとずっとたくさん存在するはずです。ボロボロのぐちゃぐちゃでも完成させただけでとても偉いのです。素晴らしい!ブラボー!筆者からも称賛を贈ります!なので思ったより反応が良くなくても自分を褒めてあげてください。
 一作作ってみてもっとどんどん作りたいぞ!って創作意欲が湧いてきた人は、その意欲のままにもっと色々作ってみましょう。冒頭にも書いた通りここに書いてあるのは「いっぱいある作り方のうちのひとつ」なので、ほかにもいろんな作り方を探したり考えたりして、自分に合った方法を見つけるといいです。それもまた創作の楽しさだと思います。




終わりのご挨拶

 このページは2020年4月、昨今の騒動により外出自粛でストレスを抱える人たちを見て「何か暇を楽しくたくさん潰せる手段を提供できないだろうか」と人の役に立てる人間でありたい気持ち三割、それと七割の自己顕示欲で書いたものです。(←この文は騒動が収まった時に生きてて覚えてたら消すと思います)
 創作は無限に時間が潰れて楽しいし、作る過程で色々調べないといけないから知識や観察力や検索力なんかもつくし、そして何より自分の思わぬ無意識が表出することがあり、自分自身と向き合うきっかけになります。ただ向き合いすぎると自分の手によって暗黒面に引きずり込まれるかもしれません。勉強や遊びの合間にでも、根を詰め過ぎずに気楽に遊んでください。

1ミリでもあなたのためになれたのなら書いた甲斐があったというものです。ありがとうございました。

きんじ



追伸:何か質問等ありましたら、ツイッター宛にリプライやお題箱に書いてくれると、ツイッター上でフランクな感じで答えたりこのページに書き足したりします。プロでも先生でもないド素人なので大した答えは書けませんが…。



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